三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は6月23日、経済産業省が実施する「令和3年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」に参画すると発表した。(写真はMHIETのニュースリリースから転載)

 

 この実証では、蓄電池や自家発電設備などの分散型エネルギーリソース (DER: Distributed Energy Resources) を制御し、電力の需給調整に活用することを目指すという。DERは、電力需給が切迫した際のデマンドレスポンスへの活用で近年実績が出てきている。

 

 このDERを統合制御することで供出した電力を、電力市場における需給バランスの調整力として活用するべく、関連する技術の実証を行う。今後、変動性の高い太陽光などといった再生可能エネルギーの普及促進が見込まれるなか、電力システムを安定化・効率化できるDERへの期待は高まる。

 

 実証に当たりMHIETは、太陽光発電設備・蓄電池・エンジン発電設備を組み合わせたトリプルハイブリッド発電設備「EBLOX(イブロックス」(=写真)をDERとして設定し、系統からの調整力要求に効率的に応えるシステムを検討・検証する。将来的に、市場からの調整力要求は高速化が見込まれており、DERは高速応答化していく必要がある。

 

 今回、MHIETではEBLOXを構成する蓄電池とエンジンを最適に制御することで、高速化する調整力要求への応答と、長時間にわたる電力安定供給の両立を目指し、制御ロジックの開発・評価を実施する。

 

 また、現在開発中のクラウド型自動デマンドレスポンスシステムをリソースアグリゲーション事業者とMHIET製自家発電設備の間をつなぐ通信プラットフォームとして活用し、市場からの調整力要求に対して迅速かつ安定的に対応するための技術検証も行う。これらの実証は2022年2月22日まで行われる予定だ。

 

(IRuniverse)