豪レアアース企業最大手のLynas Rare Earths Limitedのレアアース事業の拠点の一つでもあるマレーシアは、現在、新型コロナウイルスの非常に厳しい第3波に苦しめられているようで、2021年5月12日から6月7日まで、政府による移動規制命令などが敷かれている。ただし、コロナ規制は再強化されたものの、Lynas社の公式声明によれば、今回は、経済部門の操業に関しては継続が許可されているとのことで、Lynas Malaysiaの工場も、標準作業手順書に基づき、引き続き操業を続けている。

 

 今回、5月26日に豪ファイナンシャル・レヴュー(AFR)紙が報道したところによれば、Lynas社はさらに進んで、マレーシアの現地従業員に対する新型コロナウイルスのワクチン接種や、安全な宿泊施設の提供に費用を投じるとのこと。25日の水曜日に、CEOであるAmanda Lacaze氏がAustmine会議にて語った発言である。

 

 「マレーシア政府による移動制限要請を受けて、我々は、シフト中に従業員らが働いている現場近くのホテルを予約し、彼らがコミュニティに戻る必要のないようにしました」、「従業員やその配偶者、彼らの高齢の家族、そして勿論、地域社会にワクチンを接種できるようにするため、現在政府と協力し、ワクチンへのアクセス方法を検討しているところです」とLacaze氏は発言。

 

 なお、AFR紙によれば、具体的なワクチンプログラムへの支援方法として、Lynas社の広報担当者は、マレーシアのワクチン接種プログラムを加速させるため、“財政的”な支援、そして”倫理的”な支援の双方を申し出たとのことである。ちなみに、これまでのところ、マレーシアの同社工場で報告された感染者は5名、全て職場に入る前に発見されたため現場での感染はなし、と報告されている。

 

 なお、同社は豪州の従業員へのワクチン接種に関しては、現時点では支援や特別待遇などは特に検討していないようで、ワクチン接種の明確な優先順位(医療従事者、高齢者から優先など)を示している豪州政府の方針を支持しているため、従業員には接種可能になった段階で参加することを勧める、と述べるに留めている。

 

 

(A.Crnokrak)

 

 

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 豪州シドニー在住。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには、是非お声がけください→MIRUの「お問い合わせ」フォーム又はお電話でお問い合わせください。

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