三菱重工業は5月20日、同社グループの三菱造船と三菱重工マリンマシナリを中核とし、設立パートナーとして参画する海事業界の脱炭素化を促進するための研究機関「マースクゼロカーボンシッピング研究所」を通じて、既存船の改造による脱炭素燃料への転換に関する技術的・財務的・環境的評価を実施すると発表した。(ロゴは三菱重工の公式HPから引用)

 

 現在、世界におけるCO2排出量の約3%を海事業界が占めており、他産業における脱炭素化への取り組みが進むにつれ、今後数十年間のうちにその割合は増加する可能性が高いとされる。

 

 こうした予想があるなか、今回のプロジェクトでは、コンテナ船やタンカーといった既存船を対象にしたアンモニアやメタノールなどの脱炭素燃料化への改造や、船上での二酸化炭素(CO2)回収装置の導入など、次世代ソリューションに関する安全面の技術的評価のほか、燃料転換費用、技術投資、燃料コストおよび関連する運航コストなどを含む財務的評価や、船舶の温室効果ガス(GHG)削減効果の試算による環境的評価も実施するとしている。

 

 パートナーとして、国際総合海運大手A.P.モラー・マースク・グループ、米国船級協会ABS、大型ディーゼルエンジンの老舗MANグループ(MAN Energy Solutions)、日本郵船、世界最大の独立系コンテナ船主シースパン、石油・ガスなどのエネルギーを手掛けるトタル・グループが参画する。

 

(IRuniverse)