丸紅は4月26日、環境省『二国間クレジット制度(JCM)を利用した代替フロン等の回収・破壊プロジェクト事業をベトナムのハノイ近郊で開始すると発表した。(写真はトゥアンタインの廃棄物処理場。丸紅のニュースリリースから転載)

 

 丸紅は先般、廃棄家電や大型空調設備、廃棄自動車などから回収するフロン類の破壊を目的とした専焼炉をベトナムで初めて導入した。フロン類の回収・破壊事業を手掛けるトゥアンタインの廃棄物処理場(バクニン省)に導入した専焼炉で試運転を行ったという。今後、事業の有効性を確認し、クレジットの獲得を目指すとともに、ベトナムでのフロン類回収・破壊スキームの普及に取り組むとしている。

 

 丸紅は京都議定書第一約束期間(2008年~2012年)において、中国でCDMプロジェクトに登録されたフロン類破壊事業を行い、年間600万トンの温室効果ガス(GHG)削減を実現している。CDMとは、途上国が実施するGHG排出量削減への取り組みを先進国が資金や技術で支援し、達成したGHG削減分を先進国のGHG削減の一部に充当することができる制度を指す。

 

 今後も、ベトナムをはじめとした国々で廃棄家電や大型空調設備、廃棄自動車などからのフロン類の回収数量を増やすとともに、規制やクレジット化によるインセンティブを活用しての回収・破壊スキームの確立を目指す。

 

 世界全体でのフロン類の排出量は二酸化炭素(CO2)に換算すると年間約10億トンとされる。2030年には20億トン(日本の年間GHG排出量の1.5倍)を超えると推計される。丸紅は途上国でのフロン類の排出抑制対策を進めることは世界全体のGHG排出量削減につながり、地球規模の温暖化対策として重要であると強調している。

 

(IRuniverse)