中国政府は12月23日より、豪NSW州とWA州からの木材・丸太材の輸入を停止したことを発表した。最近、豪中間では貿易戦争と呼べるような対立がますます激しくなってきていたが、木材を対象とした今回の輸入停止措置の原因は、中国側によれば、どうやら害虫にあるという。

 

 中国側によれば、現地の税関職員がNSW州およびWA州からの貨物の中に害虫を見つけた後、これらの州からの材木輸入を中断することが決定されたという。税関当局は豪州からの輸入木材の点検をさらに強化し、害虫が発見された場合にはその貨物を送り返さなければならない、と現地の管理事務所は述べている。

 

 ただし各紙報道よれば、中国はすでに豪州の他の州、VIC州、QLD州、TAS州およびSA州からの材木輸入を停止しており、つまり今回の措置は、輸入禁止の対象州がさらに増えた格好であるとのこと。そして禁止の理由もまた、“害虫が中国に入るのを防ぎ、我々の国の林業と生態学的な安全を保護するため”と、TAS州、SA州からの輸入を禁じた前回措置のときと同様、害虫問題だ。

 

 中国が豪州から輸入している木材は、ほぼ全てがこの6州からのものであったため、今回の動きは、両国間の原木貿易がほぼ完全に停止したことを意味していると報道されている。言うまでもなく、二国間の緊張がますます高まり、多くの輸入制限がかけられている中での今回のニュースは、様々な憶測を生むものである。

 

 なお、豪州は先日、両国間の貿易紛争における中国側の行為について、世界貿易機関(WTO)に公式な苦情を申し立てた。豪ABCニュースによれば、WTO側は12月21日、この提訴を受け、貿易紛争協議を開始することを確認したとのこと。

 

 

(A. Crnokrak)

 

 

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 豪州シドニー在住。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには、是非お声がけください→MIRUの「お問い合わせ」フォーム又はお電話でお問い合わせください。

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