2024年1月13日(土)、台湾で総統選挙の投票が行われた。この日は全国的に晴天となり、1月にもかかわらず北部でも20℃を超える温かい日となった。

 

 16時に開票が始まるとすぐに、与党民進党の頼清徳氏が優勢に。そのまま少しずつ差を広げ当選確定となった。21時(日本時間22時)時点でほとんどの開票が終了し、民進党の頼清徳氏が558万票(40.1%)で当選、国民党の侯友宜氏は466万票(33.5%)、民衆党の柯文哲氏は368万票で(26.4%)となっている。頼清徳氏は「選挙の勝利には大きな意義がある。台湾の民主主義の勝利だ」と述べ、勝利を宣言した。

 

 現総統の蔡英文氏は投票結果を受け、「これが我々の誇るべき民主主義です。支持政党にかかわらず、中華民国台湾の発展のため前進していきましょう。投票した人が当選していてもしていなくても、この結果を受けて前進します。我々は一つの家族です。一緒に努力をしていきましょう」と演説した。

 

 頼清徳氏は「今回の選挙は、世界中に注目されていました。我々は世界に、中華民国台湾の民主主義を示すことができました。民進党に投票して頂いた皆様ありがとうございます。民進党に投票しなかった皆様、いつも民進党に多くの意見を頂きありがとうございます。国家のために、今回の選挙のために色々と尽くして頂いた関係各所の皆様、全ての方に感謝します」と述べた。

 

 頼清徳氏の当選によって、民進党が3期続けて政権を担うことになった。

 


 民進党の応援イベントの様子(記者友人提供)

 

 台湾では、13日が祝日となり、より多くの有権者が投票に行けるよう配慮がされていた。また、多くのコンビニエンスストアやレストランなどが「選挙セール」として「買1送1(一つ買えば一つ無料)」などのイベントを行っていた。

 

 投票率は前回総統選挙の74.9%と比較すると下がったものの、71.4%(暫定)と台湾人の選挙への高い関心を示す結果となった。選挙は戸籍登録がされている地元でしか投票することができない。そのため、多くの国民が自分の母校に帰って投票を行っている。国内の移動だけに限らず、海外からも多くの人が選挙のために帰国をする。選挙に対する国民一人ひとりの責任感、国の将来を自分たちの投票で決めるのだという強い思いが伝わってきた。

 

 同日に行われた立法院委員の選挙結果は開票が続いているが、過半数をとる政党はないと予測がされており、そちらの結果にも引き続き注目したい。2大政党である民進党、国民党が過半数を下回ると、柯文哲氏率いる民衆党の立ち位置が大きく政治に反映されるのではないか。SNS上では早速そのような声も上がっている。

 

 

【現地22時35分(日本時間23時35分)追加情報】

 立法院委員の選挙結果が出そろった。議席数では、国民党52席、民進党51席、民衆党8席、無所属2席となった。民衆党は「3党ともに過半数を達成しない」という目標を達成し、立法院のカギを握る存在になりそうだ。柯文哲氏は選挙後での演説でも、「民進党は議席数は少ないがどの政党とも手を組まない」とし、国民党議員である韓國瑜氏の立法委員への支持を否定している。また「4年後の選挙では投票してもらえるように」とも語っており、その動向に注目が集まっている。

 


(IRUNIVERSE i.YUKO)