米国の債務上限問題で、バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長との合意の内容が明らかになった。債務の上限を2025年1月1日まで停止することが盛り込まれ、バイデン大統領が目玉政策としてきた脱炭素化社会に向けてのEV購入促進促進に対する税額控除なども維持されるという。

 

合意内容について会見するマッカーシー下院議長(同議長のツイッターから)

 

 ホワイトハウスと下院共和党によると、合意では債務上限は2024年の大統領選挙後の25年1月まで適用停止される。大統領選が終わるまではこの問題を棚上げしようということで一致したと見られる。支出削減については、非防衛費関連の支出を2024年までほぼ現状に維持し、2025年については約1%の増額を認める。インフレ抑制法に基づいてバイデン大統領が進めている脱炭素社会実現に向けての税額控除施策には手が付けられなかった。日本を含む多くの自動車メーカーが注視していたEV購入に対して最大7500ドルの税額控除をする施策も維持される。

 

 このほかの合意内容は、コロナ禍の対策で計上された費用のうち未使用の約300億ドルを取り消すことや、復員・退役軍人向けの病院や医療保障は維持すること、食料給付券を受けている成人に対する一時的な就労要件拡大、コロナ化で猶予されていた学生ローンの支払いの再開など。

 

 これらの内容を含む法案は日曜日(28日)の夜に公表され、水曜日(31日)に下院で投票にかけられる見込みだ。

 

(IRuniverse 阿部治樹)