中央アフリカで隣り合うザンビア共和国とコンゴ民主共和国DRCでは長い間、泥沼の様な激しい民族紛争があった。そこにはEV生産へ大きな影響を及ぼす銅鉱山があり、バイプロとしてのコバルトが存在する。

 

筆者は20代の若い頃、ザンビアとザイールの銅鉱山の若手技術者3名と3ヵ月間だが、同じ寮で生活を過ごした事がある。話す言葉はフランス語だが、一緒にお酒を飲むと何と大漁節や炭坑節を唄うのだ。ムソシ銅鉱山の開発を行ったのが日本鉱業(現JX金属)で銅鉱山開発を挑戦したが、その後撤退した。

 

そんな二つの国が何とEV用バッテリー生産を共同で挑戦する契約を締結した。契約内容はEV用バッテリー生産に必要な重要金属の探鉱を共同で実施する事でEV車用バッテリー生産のクリーンエネルギーセクターを共同で構築する事が目的となっている。

 

ザンビア共和国のハカインデ・ヒチレマ(Hakainde Hichilema)大統領は「ザンビアとコンゴ民主共和国DRCの協力契約の締結でEV用バッテリー生産を開始する事がアフリカ大陸の貧困を救済する上で重要なカギとなる」と話している。

 

ヒチレマ大統領は、「今回の共同開発契約は、原料の輸出者として知られているアフリカからその様な原料輸出者の恥をぬぐう事となった」とも述べている。

ヒチレマ大統領は更に、「DRCコンゴ経済フォーラムへ自分が出席する事を決断した判断が今回の共同開発契約の締結に繋がった」と。

 

ヒチレマ大統領は但し、今回の共同開発契約へ調印した事は未だ一歩を踏み出しただけであり、今後必要な事は契約を真に実現する事であると。
 

ヒチレマ大統領は、長い間アフリカは原料供給者と見做されてきたが、その物語は変わりつつあると。

 

一方コンゴ民主共和国のフェリックス・チセケディ大統領は両国がEV車用バッテリーに必要な金属の少なくても80%を保有するホームであると。

 

チセケディ大統領は、ザンビアとDRCコンゴの両国は自分達の運命のマスターになると決したと語った。彼は共同開発契約はEVバッテリーの生産のバリューチェーンを創造し、それがザンビアとDRCコンゴの経済の重要な架け橋になると。更に今回の共同開発契約はアフリカ各国の良い事例になり、経済的な繋がりを促進すると。この契約を機会にアフリカの経済は、多くの若者の仕事を創造するイニシアティブを前進させると語った。


世界では、国境を越えた紛争が絶えない。その多くが自分の国しか見えない狭い見解だけの貧しい思想の指導者による。アフリカの民族紛争もその様な将来が見えない民族紛争が長く継続した。

そんなアフリカの国の中から自分たちの複数の隣国同士で新たな希望を育む流れが始まった。どうかこの流れが継続し、アフリカの若者たちへ新たな将来展望を届けて欲しいと切望する。

 

(IRUNIVERSE Katagiri)