2022年1月19日から21日までの3日間、東京都江東区有明にある東京ビッグサイトにてRX Japan株式会社主催の「第6回 ロボデックス」が開催された。
今回の展示会は実地開催となっており、合計6種の展示イベントが同時開催されるという規模の大きいものとなっている。
今回の記事では出展者のうちNUWA ロボティクス JAPAN 株式会社の展示している製品を取り上げる。
自らの手で組み立てるツール
今回第6回 ロボデックスの会場の中で、ロボットをコミュニケーションのツールや対象として取る様な展示はほぼ無く殆どが産業用用途のアームや自動化機械であった。
そういった中での少数に該当したのがNUWA ロボティクス JAPAN 株式会社の製品である。
一見するといわゆる知育玩具をそのまま機械に落とし込んだ様な形状のこのロボットは、Kebbi Airという。
このロボットはその見た目から想像出来ない多彩な用途を備えており、商業用途のロボットとしても対応可能なまでの拡張性を備える。
そして何より、このロボットは手元に届いてから自分の手で組み立てるという高級な製品にしては珍しいモデルとなっている。
そんなKebbi Airの詳しい性能を見ていく事にしよう。
大きな可能性を秘めたロボット
Kebbi Air本体は先述の通り組み立てが必要なロボットなのだが、搭載するパーツについては3Dプリンターで成形した物もコネクターの形状が合えば装着出来る。
そのため胸の発光するコア部分は勿論のこと、頭にある猫の耳の様なパーツについても別パーツや手製のパーツへ脱着可能となっている。
本体頭部側面にはタッチセンサーが備えられており、またモニター部はタッチパネルの機能を持つ。
ここに表示される顔の画像は勿論、アニメーションについてもカスタマイズが可能となっている。
音声認識による対話機能も備えており、設定した音声を検知し音声会話の様な事が行える機能を持つ。
また搭載されたカメラとスピーカーにより、卓上に置いた状態でのビデオ通話にも対応する事が可能だ。
その上本体に搭載されているアプリは様々な教育機関向けの知育ソフトが入っており、担当者によれば英語方面において特に強く、発音の矯正なども正確であるとの事である。
実際にカメラによる画像認識機能を生かしたコンテンツの他、簡単な動作ならば自分で容易にプログラミングし設定出来るソフトも付属している。
極めつけはこの本体の拡張性の高さである。猫の耳が付いていた頭部ホルダーに別添のサーモセンサーカメラを備え付ける事で、検温機能を付与する事が可能となるのだ。
また本体の下半身部分には移動する命令も出す事が出来るが、これをモーター搭載のキャスター付きテーブルと同期させる事で配膳作業の自動化も可能としてしまえる。
そして搭載されているソフトウェアはAndroidベースであるため、実際に外部での服薬指導アプリや英語教育アプリといったいわばサードパーティ製アプリを制作する事も出来る。
この用途で実際にKebbi Airをサービスの為の端末として利用する事業者は増えているとのことだ。
価格については腕部稼働のサーボモーターがやや高価な事もあるが、それでも1台10万円前後と極端に導入コストが掛かるものではない。
台湾発のソリューションとして各所で導入が進む、ハンドメイドかつ高機能でコミュニケーション能力を伴うロボット。これからの教育現場にこの可愛らしくも大きな可能性を秘めたモデルがお邪魔する将来もあるのかもしれない。
(IRUNIVERSE ICHIMURA)