南アフリカ共和国、東ケープ州のNelson Mandela Bayにおいて、世界最大規模のグリーンアンモニア施設の開発計画が12月14日、発表された。Hive Hydrogen(英国Hyve Energy社の水素部門)とBuilt Africa社は両社でHive Hydrogen社として、そしてさらにLinde plcの南アフリカにおける100パーセント子会社Afrox社と共に、このグリーンアンモニア輸出プラントの設立を目指し協力していく。

 

 このグリーンアンモニア施設は、投資額は46億ドル、年間生産量は78万トンになるものと見込まれている。Hive Energy社は2019年より再生可能エネルギーを利用したグリーン水素とグリーンアンモニアのプロジェクトに取り組んできたとのことで、現在同プロジェクトは、事前実現可能性調査が完了、これから最終投資決定に向かうという。第一段階は2025年中に稼動しはじめ、2026年末までにはフル稼働になる予定。

 

 Hive Energy社の声明によると、現在、アンモニアの需要は右肩上がりであるため、同商品への投資には最適なタイミングであるとのこと。農業、化学、鉱業の分野で需要は世界的に急増しており、また、将来的にはグリーンアンモニアは海運業の主な燃料、石炭の代替燃料としても使用されるものと見込まれていると述べられている。

 

 Hive Hydrogen South Africa社の代表かつBuilt Africa社の会長であるThulani Gcabashe氏は、このプロジェクトの実現に期待を寄せ、「業界の、よりグリーンな解決策へと取り組むにあたり、この国にとって間違いなく新しい時代の到来を告げるもの」であると評価する。このプロジェクトの規模、そして使用されるクリーンテクノロジーは真に注目すべきものであるとした。

 

 Hive Energy社のCEOは、「再生可能エネルギーとエネルギー貯蔵の要素だけでも、この種のプロジェクトとしてはサハラ砂漠以南のアフリカ最大、世界でも最大級のものとなるでしょう」と述べている。また、Afrox社のCEOは、アフリカ南部を「グリーン水素とアンモニアの製造および輸出に非常に適した、世界でも数少ない地域のひとつ」であると評し、このプロジェクトをHive社と共に実現できることを嬉しく思うとコメントしている。

 

 

(A. Crnokrak)