近年、その数が急増している「ユーチューバー」ですが、ユーチューバーには様々なジャンルで活躍される方が多いです。例えば、料理に特化した「料理ユーチューバー」、最近プロの世界を引退した元選手が転身する姿が目立つ「プロ野球解説ユーチューバー」、また、これまであくまで大人の趣味として存在してきた「草野球」を、見事「仕事」に昇華させたといわれている「草野球ユーチューバー」など、様々あります。

 

 その中で、ゲーム配信をしている「ゲームユーチューバー」という存在が居ます。この方たちは、人がやらなかったり、時間の無い社会人向けに、ゲームを配信したり、攻略動画を作成してアップしていたりしているユーチューバーですが、この方たちの影響か、近年オンラインゲームや配信をする人たちが増え、いわゆる高スペックPCの一つである「ゲーミングPC」、つまり主にゲームをすることを目的としたPCが人気だそうです。

 

 私自身も、オンラインゲームをしている身であり、この原稿を書いているPCは、もちろんゲーミングPCです。オンラインゲームは、世界中のプレイヤーとその日その時にオンラインによって、リアルタイムにプレイできる特徴を備えています。

 

 ゲーミングPCでプレイできるオンラインゲームにはいくつか種類があります。

 

① MMORPG→(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・アールピージー)代表例ファイナル・ファンタジー14 スクエア・エニックス

② FPS→(ファースト・パーソン・シューティングゲーム)代表例「Apex Legends」配信エレクトロニック・アーツ

③ TPS→(サード・パーソン・シューティングゲーム)代表例World of  Tanks 開発:運営Worgaming net

 

 といった大まかな種類がありますが、これらのゲームをプレイするにあたり、求められるPCスペックに共通することは、リアルタイムにゲームを行うための高い処理能力と、高度な画像処理でしょう。現実、PCのスペックによっては、プレイできないゲームも存在します。

 

 つい最近の話ですが、我が家のPCも既に買ってから7年を迎えているので、ゲーミングPC専門店で品を見てきたのですが、その時店員から「どの商品も注文から2か月待ちになります」という事を聞きました。その理由は「半導体不足で、PCが作れないから」という事でした。

 

 

用途拡大で品薄?

 この状況を半導体に詳しい方にお聞きしたところ、

 

 「ゲーム画像処理用の半導体(GPU)の多くは、NVIDIA(エヌビディア)やインテルが設計し、TSMC、サムスンなどの工場で生産されている。工場で作られる半導体は、1個が大きなチップで、1枚のウェハから取れる数も限られている。半導体は、高度な画像処理技術は使用される用途が広まっており、自動運転のレベル2,3クラスや人工知能、犯罪者を見つける防犯カメラなどが例だ。自動車業界で起きている半導体不足の要因の一つとして、用途が広がり、半導体の取り合いという現象が起きている。」と話す。

 

 NVIDIAの発表記事で、2020年5~7月期の決算では、前年同期比50%増の38億6600万ドル(約4100億円)だったとあります。この時期はちょうど日本におけるコロナショックで、最初の緊急事態宣言が出た時期であり、この増収の要因として巣籠需要とデータセンター向けが好調だったいうことです。

 

 また昨年のコロナショックから今年にかけても、ソーシャルゲーム配信会社や、その他ゲーム関係会社の収益が好調になった事が記憶に新しいですが、その陰でユーチューバーによるゲーム配信も多く行われています。

 

 欧米では当たり前に存在している、ゲームをプレイしてお金をもらう「プロゲーマー」ですが、近年は日本でもその存在が知られるようになりました。

 

 ゲームユーチューバーとプロゲーマーの存在で、その需要を伸ばしつつあるゲーミングPCですが、自動車業界でも影響が出ている半導体不足は、この分野でも起きているようです。

 

 

(IRUNIVERSE Hatayama)