豪NSW州では、太陽光発電パネルや蓄電池からの廃棄物の問題が顕著になっていることをふまえ、こうした廃棄物の埋め立てを回避しようと、サーキュラー・ソーラー・トライアルCircular solar trialsと呼ばれる補助金プログラムの開始が決定している。8月30日、政府のWebサイトにて、このプログラムの詳細や目的と共に、今回補助金を受け取ることが決定した企業や団体などが紹介された。

 

 Matt Keanエネルギー相によると、NSW州の、あるいは豪州全体の、太陽光発電をはじめとする家庭用再生可能エネルギーの普及率は、世界でも最高レベルのもの。ソーラーパネルや関連蓄電システムの廃棄物の量は、現在はまだ少ないものの、2025年には年間3,000〜10,000トン、2035年には年間40,000〜71,000トンに達することが予測されているという。

 

 今回このプログラムの第一次助成金枠に採択された団体は、Blue Tribe Co. Pty. Limited(217,800豪ドル)と、KGM Services trading as The Solar Professionals(935,750豪ドル)の2組(カッコ内はそれぞれ助成金の決定額)。なお、 第二次助成枠として、次回は2021年9月にさらなる資金調達の機会が提供されるとのこと。

 

 Blue Tribe社は、廃棄されたもののまだ使用可能なソーラーパネルを使い、地域に根ざした小さなソーラーガーデンを設立するという、セカンドライフ・ソーラー・プロジェクトを計画中。廃棄されたソーラーパネルの二次市場を活性化するためのビジネスモデルとテスト方法を開発することでパネルの寿命を延ばし、すぐに廃棄する代わりに、修理可能なソーラーパネルを埋立地から迂回させ、州の再生可能エネルギー目標に貢献していうという。

 

 KGMのプロジェクトは、剥離(delamination)によって太陽電池セルの再利用、リサイクル、アップサイクルを行うというもの。国内外の市場で機能的なセルの再利用を可能にするパネルテスト、収集、配布を通じて、使用済みのソーラーパネルを汚染されていない部品に解体する技術の開発などが行われるという。また、ソーラーパネルのガラスとフレームの製品は、商業用ガラス温室の建設資材としての導入が予定されているとのことである。

 

Circular solar trials詳細はこちら

 

 

(A.Crnokrak)