気象庁のデータにより、チリのサンティアゴ首都圏昨年の降雨量は最近10年の最低。今年の降水量も同時期と比べ、明らかに低いと判明。 空気が乾燥している一方、この水不足問題は世界の銅供給の4分の1以上を占めるチリの銅生産を脅かし始めている。加えてチリといえばリチウムも大きな供給源。リチウムの供給にも影響が及ぶかもしれない。

 

 

グラフ

(気象庁より)

 

 

 そのため、チリ銅業界の対応は、2031年までに水の総消費量のほぼ半分を海水からに切り替えると予想される。特に社会的不公正に対する大規模な抗議の後、チリは現在、新しい憲法を起草しており、民間企業と市場の力に大きく依存する給水システムの改革を推進している。

 

 BHPグループはチリのCerro Colorado鉱山で3か月間地下水の汲み上げを停止すると強制的に命令され、Antofagasta Plcは、給水不足のため、今年の生産量は予想よりも少なくなると述べた。

 

 昨年、BHPは、Cerro Coloradoの事業規模を縮小する計画を発表。これは、実際には、許可が2023年に期限切れになる前に規模縮小の前倒し。同社は当時、2023年以降も採掘に海水を使用する可能性を模索し続けると述べた。

 

 Antofagasta Plcは現在、今年の電気銅の生産量を71万〜74万トンと予測。これは、以前の予測数値の73万〜76万トンより減少。自社の海水淡水化工場を建設中、2022年の後半まで使用開始予定だが、現在の状況によって、淡水化プラントの操業開始が遅れる可能性があり、5万トンの銅生産量に影響すると予想している。

 

 

(AkiraLEE)