親日で知られ、海外旅行の人気ランキングでも常に上位に入る国、台湾。

 

 新型コロナウイルスの影響で海外旅行に行けず、「台湾ロス」という言葉もよく聞かれます。日本ではタピオカミルクティーのブーム、台湾パイナップルの流通も記憶に新しいのではないでしょうか。

 

 

<台湾の基本情報>

 ・正式名称 中華民国(首都:台北市)

 ・面積 3万6千平方キロメートル(九州よりやや小さい)

 ・人口 約2,360万人(2020年2月)

 ・言語 中国語(台湾華語)、台湾語、客家語等

 ・通貨 新台湾ドル

 ・時差 協定世界時との時差:UTC+8 日本時間との時差:JST-1

 

 

 台湾の共通言語は、中国語です。ただし、台湾華語とも呼ばれ、中国本土とは大きく発音が異なります。最近では、福原愛さんが中国なまりだと、日本のニュースで見かけることもあり、言語の違いについて意識された方もいるかもしれません。台湾では日本統治時代の影響もあり、日本語由来の言葉もよく聞かれます。面白いところでは、運転手さん=ウンチャン、頭がおかしい=アタマショート、などでしょうか。その他、台湾語や客家語といった言語も入り交じり、独特の話し方があるのが台湾の中国語です。

 

 私は、そんな台湾に移住して早4年。桃園市中壢(チュウレキ)区という桃園国際空港まで車で30分、台北まで1時間という場所に位置し、下町感あふれる賑やかな街に暮らしています。IT関連の工場や企業が集中している「台湾のシリコンバレー」と呼ばれる新竹市までも車で1時間程度です。(新竹市には、TSMC、MediaTek、ヌヴォトン、Silicon Integrated Systems、ASIX等の、世界的にも有名は半導体メーカーが多く拠点を据えています。)

 

 これから台湾の現地の最新情報、業界ニュースをお届けします。どうぞご期待ください。

 

 

<台湾のコロナ対策>

 現在、台湾は新型コロナウイルスの国内感染が1桁に抑えられています。それでも、8月10日から8月23日まで、台湾全土における感染状況の警戒レベル第2級を維持することが発表されており、厳しい規制下にあります。

 

(警戒レベル第2級)

一、一般原則

 1 飲食時を除き、外出時は常時マスクを着用する。

 2 実名登録制、ソーシャルディスタンスを維持する。

 3 営業場所及び公共エリアでは人流の管理や人数制限を行う:室内では少なくとも1.5m/人(2.25平方メートル/人)、室外では1m/人(1平方メートル/人)

 4 集会活動における人数の上限は、室内50人、室外100人。仮に人数を超える場合は、感染対策計画を申請する必要がある。

 5 飲食店でのイートインの原則は、衛生福利部の規定に基づいて実施する。

 6 披露宴・家族以外の葬儀参列の開放

 (1)家族以外の葬儀参列を実施する際は内政部の感染防止規定を遵守する。

 (2)披露宴を実施する際は1部屋室内50人、室外100人を上限とする。また、飲食ガイドラインを遵守し、他のテーブルに移動しての乾杯は禁止する。

 7 コンビニでの店員による煮たまご、おでん等の販売を許可する。

 8 主管部門の感染対策管理に合致している場所を開放する

 コミュニティカレッジ、高齢者向け学習センター、コミュニティケアスポット、親子館、ボードゲーム場(一般的な購入)、プール、職業訓練等

 

二、引き続き閉鎖をする場所

 1 ミュージックホール、ダンスホール、ナイトクラブ、クラブ、接待を伴うレストラン、バー、キャバレー等、MTV、KTV・カラオケ、理容院(観光理髪、視聴理容)

 2 娯楽施設(ゲームセンター等)、ネットカフェ、雀荘、その他の類似した場所

 3 自習室

 

 現在の台湾の新型コロナウイルスワクチンの接種率は、

 合計接種数          975万

 必要回数のワクチン接種完了          64.9万

 必要回数のワクチン接種が完了した割合      2.8%

 (提供元: Our World in Data)

 

 となっています。中国によるワクチン妨害があったと言われ、ワクチンの数自体は不足しています。ただし、ワクチンの予約・摂取システムは既に整備されており、摂取までの流れはとてもスムーズです。

 

 「COVID-19ワクチン接種の意向登録・及び予約システム」にアクセスし、摂取の意思登録を行います。ワクチンが準備されると、ショートメールが届き予約に進むシステムです。「ワクチンが到着した」というニュースが入れば、その日のうちに追加摂取の対象が発表され、予約に進むことができるスピード感には驚かされます。

 

 

図

https://1922.gov.tw/vas/

 

 

 もう一つ、クラスター発生からここまで感染者を抑え込むことができたのが、「実名登録制」というシステムです。コンビニエンスストア、スーパーなどの店舗、商業施設、市場などでは、入店前に氏名、連絡先を登録する必要があります。これにより、感染者が出た際に接触者を特定し、迅速に隔離などの措置をとることが可能となっています。台湾には家族経営などの小さい店がとても多いですが、そのような個人店舗でも簡単にQRコードを申請することができます。

 

 

図

 

 

 店舗利用者は、店頭でQRコードを読み取るとショートメールの送信画面が表示されます。表示されたメッセージをそのまま送信するだけで、店舗を利用したことを登録することができます。店頭でアルコール消毒をしてから入店しますが、最近はアルコール消毒と同時に検温ができる機器が設置されていることが増えてきました。

 

 

写真

 

 

<台湾の経済状況>

 台湾の行政院は8月13日時点で、2021年第一期のGDPを前年比8.92%から9.27%に上方修正しました。また、第二期は前年比7.43%となっており、2021年上半期の経済成長率は8.34%となっています。5月から新型コロナウイルスの感染者が増えたことで一時減速しましたが、ここにきてまた感染が抑えられたことで、経済成長は引き続き加速していくことが予測されます。

 

 コロナ禍において台湾がここまで経済を回復させてきた背景には、新型コロナの影響で世界的にテレワークとオンライン授業が普及し、台湾の産業の中心ともいえるソコンや半導体の需要がかつてないほど膨らんだことが挙げられます。中でも、中国やアメリカ向けの輸出が好調となっています。

 

 今後の大きな課題は、ワクチンの確保、そして国内の感染者を今のまま抑え込むことです。国民の感染に対する意識はとても高く、感染者が1桁となった現在も、警戒が続いています。

 

 今後の台湾経済、産業の発展にぜひご注目ください。

 

 

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 i.YUKO

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 IRuniverse取材記者、フリーライター、フリーランス通訳/翻訳者(日‐中)

 2017年より台湾在住。3児の子育てをしながら、手作り食品の販売等、さまざまな活動を行う。

 趣味は、手芸、石鹸作り、台湾料理研究、旅行。

 *通訳、翻訳および台湾案内等のご要望は、MIRUの「お問い合わせ」フォーム又はお電話よりお問い合わせください。

 

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