コロナ感染拡大によるロックダウン延長とズマ前大統領の逮捕劇から不満が爆発した南ア市民の暴動は先週13日にはじまり、大混乱が続いていたが、21日現在ではほぼ鎮静化しているとロイターなど外電は伝えている。

 

 しかしながら、これまでにロジスティック網の破壊があり、ダーバン港へ至るまでのハイウェイが封鎖されていたことで、マンガン、クロム、コバルトといった資源製品の供給遅延は長引きそうだ。

 

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 すでに南アのフェロマンガンメーカー、トランスアロイは供給網の寸断からフォースマジュール宣言を発しており、同じくマンガン合金鉄メーカー、マンガン鉱石生産者のアソマン社もフォースマジュールを発している。

 

 アソマンは、クワズールナタール州東部のCato Ridge Alloys工場でフェロマンガンを生産している。先週に不可抗力について顧客に通知している。21日現在では状況も落ち着いているため、数週間以内にはアソマンのフェロマンガンのデリバリーは再開できる、とみられているが鉄道網の復旧次第か。

 

 南アフリカの主要な港であるダーバンとリチャーズベイ、そしてダーバンとヨハネスブルグが位置するハウテン州を結ぶ鉄道は、何日にもわたって混乱のなかにさらされてきた。昨年には鉄道に敷設しているレール、電線、通信機などが略奪され、鉄道輸送がままならない事態もあった。

 

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 今回の暴動も経済格差による不満が根底にあるとの報道がなされているが、100%そうだろう。あとは教育の未熟。しかしそれも貧困によるもの。常に暴発リスクを抱えている南アである。

 

 

(IRUNIVERSE/MIRUcom)