東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)と明電舎は6月21日、昨年から共同開発している六フッ化硫黄(SF6)をまったく用いない自然由来系ガスを使用した72kV・84kVのガス絶縁開閉装置(GIS)の開発・製品化を加速すると発表した。両社は2022年3月までに形式試験を完了、その後、2022年度中には量産化の体制を確立し、製品化を目指すとしている。(ロゴはヤフー画像から引用)

 

 今回開発するGISには、大電流遮断に真空遮断器(VCB)を適用し、機器の主回路絶縁や断路器、接地開閉器の電流開閉部分には「ドライエア」(窒素および酸素の混合ガス)を用いることで、絶縁性能や大電流遮断能力を確保する。東芝ESSはGIS全体を、明電舎は主要部品であるVCB部分の開発をそれぞれ担当するという。

 

 東芝グループは、1960年代よりGIS開発に着手し、1969年には日本で最初となる72kV GISの商用運転開始に貢献するなど、GIS全体の製品開発ノウハウを多く持っている。環境負荷低減対策では、自然由来系ガスを用いた機器の研究開発を15年以上実施してきた。

 

 一方、明電舎はVCBに豊富な実績を持ち、2007年にSF6不使用の72.5kVタンク形真空遮断器(ドライエア絶縁)を米国市場に投入し、以降、日本国内では主に電力会社や、海外では北米、豪州を中心に納入している。2020年には145kVクラスまで製品化している。

 

(IRuniverse)