三菱パワーは6月18日、このほど完成したバイオジェット燃料が持続可能な代替航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)として、世界で初めて航空定期便(日本航空515便、東京国際空港から新千歳空港まで)に供給されたと発表した。(プロセスフローは三菱パワーのニュースリリースから転載)
この燃料は、ガス化した木質セルロースから液体燃料を合成するガス化FT合成技術により生産したもので、SAFの国際規格である「ASTM D7566」への適合が確認された。当該事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオジェット燃料生産技術開発事業」による委託を受けて、三菱パワーほか、3事業者共同で取り組む木質系バイオマスを原料とした燃料生産技術の開発を実施してきた。
燃料生産技術の開発は、共同4事業者のうち、JERAの新名古屋火力発電所(名古屋市港区)構内に建設したパイロットプラントで原料に木くずを使用し、SAFを一貫生産する実証試験を通じて行われた。
JERAが原料調達とパイロットプラントの運転、三菱パワーが噴流床ガス化技術を用いて原料をガス化、東洋エンジニアリング(TOYO)が生成ガスからの液体燃料合成・蒸留と石油系ジェット燃料との混合以後のサプライチェーン構築を担当したほか、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)がSAFの燃焼における性能特性評価試験を実施するなど、燃料生産開発は各事業者の技術・ノウハウを結集したものという。
(IRuniverse)