東芝エネルギーシステムズは6月8日、国立研究開発法人「量子科学技術研究開発機構」から受託、製造している核融合実験炉イーター(ITER)向けの世界最大級(高さ:16.5m、幅:9m、総重量:約300トン)のトロイダル磁場コイル初号機が完成したと発表した。(ロゴはYahoo画像から引用)

 

 ITERは、核融合エネルギーの科学的、技術的な実現可能性を実証することを目的として日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インドが参画し、フランス サン・ポール・レ・デュランスで建設が進められている熱核融合実験炉だ。熱核融合発電は原子核を核融合反応させることで発生した熱を利用し発電させる。

 

 太陽の内部と同様の核融合反応を利用するために「地上の太陽」とも呼ばれる夢のエネルギーとされる。熱核融合発電は原子核の融合によって高レベル放射性廃棄物を発生させず、また、二酸化炭素(CO2)を発生させない次世代の発電システムでもあり、地球温暖化の抑制へ貢献できるエネルギーとして注目される。

 

 トロイダル磁場コイルは、ITERでは18基が用いられるという。東芝エネは世界最大級トロイダル磁場コイル4基とコイル容器6基の製作を担当、2025年のITER運転開始に向けて協力を進める。

 

(IRuniverse)