IHIは5月27日,小型モジュール原子炉(SMR)の開発を行っている米ニュースケールのSMR事業に日揮ホールディングスとともに参画することを決定したと発表した。(ロゴはIHIのHPから引用)

 

 IHIはカーボンソリューションを成長事業と位置付け、SMRが脱二酸化炭素(CO2)社会実現の有力なソリューションの一つになり得るとして、ニュースケールへの出資を決定した。同社が開発中のSMRは原子炉の冷却性能など高い安全性を備えており、2020年8月にはSMRとして初めて米国原子力規制委員会(NRC)の型式認定を完了したという。すでに商業化に向けた検討が進められ、世界市場において一定のシェアを占めると想定されるという。IHIは主要機器の供給やエンジニアリングを通して事業の中核を担う。 

 

 複数の小型原子炉で構成するニュースケールのSMRは、炉の一部だけを運転することで負荷追従運転が可能であることから再生可能エネルギーの調整電源としての役割が期待されている。同社が開発中のSMRは直径約4.5m、高さ約23m、1基あたり7.7万kWeの出力の小型モジュール型原子炉だ。立地条件やエネルギー需要に応じて最大12基の原子炉でプラントを構成する。米国のユタ州公営共同電力事業体(UAMPS)は、米エネルギー省(DOE)のアイダホ国立研究所内でニュースケールのSMR商業プラントを建設する予定としている。

 

(IRuniverse)