5月14日、ロイター通信は、中国のバッテリーメーカーであるEVE Energy 社が、EV最大手のTesla社との契約に向けて協議中であるとのニュースを独占報道した。

 

 EVE社は、ニッケルやコバルトの代わりに鉄を使用することで製造コストを抑えることのできる、安価なリン酸鉄リチウム(LFP)電池を製造している企業。中国のEVメーカーXpeng Incに電池を供給しており、3月にはBMWやダイムラーAGとも電池供給のパートナーシップを結んだことを発表している。

 

 今回のロイターの記事によれば、LFP 電池には従来のニッケルやコバルト電池と比べ、1回の充電での走行距離が短いという欠点はあるものの、低コストのバッテリー調達の強化に努めているテスラ社は、同社へLFP電池を供給する2社目の企業として上海工場のサプライチェーンに加えるべくEVE社に注目、協議を重ねているとのことで、提携に向けて順調に進んでいる様子がうかがえる。なお、1社目は同じく中国のContemporary Amperex Technology(CATL)社で、同社は昨年末より、標準的な走行距離の中国製モデル3車向けに、テスラ社へLFP電池を供給している。

 

 一方、EVE社側はこの記事に反論を寄せている。深圳証券取引所に声明を掲載し、Tesla社と供給契約交渉を行っているというロイター通信の報道は "事実無根である"とし、「Tesla社と電池をめぐる業務上のやりとりは行なっていない」とはっきり否定したとのこと。5月16日、ブルームバーグ紙などが報じている。

 

 ただし、ロイター通信による当初の報道は、ただの噂レベルというよりは、相当な確信を持っているのではないかと思われるもので、例えば、「深圳に上場しているEVE社は、テスラのために自社製品の最終段階のテストを行っている、とある関係者は語った」など、内容も具体的である。

 

 こうした背景もあってか、EVE社側の否定にもかかわらず、その後もEVE社の株価は上昇を続けており、5月18日現在、報道が世に出てから20パーセント近い上昇を保っている。

 

 

(A.Crnokrak)

 

 

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 豪州シドニー在住。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには、是非お声がけください→MIRUの「お問い合わせ」フォーム又はお電話でお問い合わせください。

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