双日は5月14日、AI(人工知能)・機械学習を用いた農業プラットフォーム事業を展開し、農家および農業関連企業向けにサービスを提供している、米国の農業ITスタートアップ企業「Ricult」に出資したと発表した。出資額は明らかにしていない。(チャートは双日のニュースリリースから転載)

 

 Ricultは米マサチューセッツ工科大学(MIT)出身者らが立ち上げたスタートアップ企業。創業者の出身地であるタイ、パキスタンで収集した情報を分析・加工し、農家、農業関連事業者(農作物加工メーカー、金融機関など)に情報を提供しているという。同社は営農サイクルを一貫してサポートするデジタルソリューションを農家向けに提供することによって農業リスク低減と収穫量最大化、農業の効率化を促している。

 

 たとえば、衛星画像、農学モデル、気象データなどを独自の機械学習アルゴリズムで処理・分析し、スマホアプリを通じて農家に長期天候予測情報、適切な播種・収穫時期、肥料・農薬などの農資材推奨や農産品の価格情報を提供している。融資仲介や作物販売支援も行なう。

 

 農家以外の農業関連事業者向けには、同アプリを通じて得た農家・農業情報のデータ化・分析による収量予測、クレジットスコアリング(融資顧客候補向けの与信可否判断サポート)、異常気象・洪水評価といった情報を提供している。

 

 Ricultへの出資を通して、双日はこれまで見えにくかった農家の活動状況・嗜好性や農地・農業データを体系的に可視化し、東南アジアで展開する高度化成肥料事業の強化を進めるほか、Ricultの顧客ネットワークを活用した農業関連での新規事業開発に取り組むとしている。

 

(IRuniverse)