三菱重工業(MHI)と三菱パワーは5月10日、2021年10月1日付で三菱パワーを三菱重工に統合することで合意したと発表した。三菱パワーが展開する事業を吸収分割することによりMHIに承継する。今回の統合により、三菱パワーが推進する火力発電システムの脱炭素化と、三菱重工が推進する水素エコシステムや二酸化炭素(CO2)エコシステムの構築を同時並行で推進する。(ロゴはMHIのHPから引用)

 

 三菱重工グループは、2020年10月に発表した中期経営計画「2021事業計画」で「エナジートランジション」と「モビリティ等の新領域」の2つを成⻑エンジンとして、30年までに企業価値を⼤幅に向上する計画を掲げる。このうち、エナジートランジションについて発電および産業分野における既存エナジーの脱炭素化に加え、水素やアンモニアといったCO2フリー燃料などのスタートアップ技術獲得や、欧米を中心とする先行市場での各種スタディ・実証試験を推進している。第1弾として、今年4月に三菱パワーの新事業推進部門を三菱重工に移管・統合済みだ。

 

 他方、三菱パワーは、三菱重工と日立製作所が両社の火力発電システム事業を統合し三菱日立パワーシステムズ(MHPS)として2014年2月に発足させた会社で、2020年9月に三菱重工の100%グループ会社となったのを契機に現在の社名に改称した。

 

(IRuniverse)