家電製品協会と言う組織を御存じだろうか?長い間家電製品のリサイクルテーマを議論し、現在の主要な家電製品のリサイクル課題を解決し、家電リサイクル法に基づく、健全なリサイクル事業体系を維持し管理する役割を果たしてきた。輸入家電製品もほぼこの法体系の中で全てが運用されている模範的な業界が家電製品の製造メーカー業界である。

 

 最近その業界のリーダー格のパナソニックが主要事業のテレビ事業から一歩引きさがる決定を発表した。テレビや音響機器などは欧米ではブラウングッズと呼ばれ、冷蔵庫、洗濯機などはホワイトグッズと呼ばれている。テレビは液晶テレビが出現して久しいが、液晶テレビをリードして大型投資を行ったシャープは、その後大きな挫折をし、FOXCONの傘下となり、既に三洋もパナソニックの中に呑まれ、今回の、パナソニックのテレビを主要事業とは位置付けないとの発表は市民を驚かせたに違いない。液晶も既に韓国や中国が優勢になっている。

 

 ホワイトグッズ(白物家電)分野は、既に中国メーカーが世界最大の生産を行っており、国産製品と同じレベルの製品を店舗に配置して機能など表面上の差異は感じられない。家電業界は戦後70年以上の長期にわたり、日本人の市民生活の重要な機能を果たし、3種の神器などと呼ばれて市民生活に豊かさを提供してきた。

 

 主要な家電4品目には含まれないが、最近故障した掃除機を購入すべく、家電販売店を調査してみた。掃除機は自動車よりも早くバッテリーで駆動する動きが既に始まっていた。調査してゆくうちに、ホームセンターまで足を伸ばしてみると、家電販売店では無かった工具メーカーのバッテリー駆動の比較的安価な掃除機が見つかった。電動工具は米国や欧州などから輸入され、力強いバッテリー駆動の工具が多く、2次電池市場の需要の一角を占める地位にすでにあった。その様に考えると、工具メーカーが掃除を製造しても全く違和感が無いかも知れない。但し、良くバッテリー駆動の掃除機を見ると、作業時間が20分や30分などの表示が多く、小さな部屋を掃除する用途では十分かも知れないが、更に良く仕様を見ると充電時間の表示が余り適切に表示されていなく、仕様書の片隅に1時間や3時間などの記載がなされている。

 

 前出のパナソニックは現在バッテリー製造を大きな柱として、日本、アジア、米国と事業展開して、世界のバッテリースタートアップ企業と激しい競争に入っている。その分野は自動車製造分野である。 どうやらこれからの世界は高品質のバッテリーを製造した企業が、自動車のみならず、あらゆる電化製品の市場を制覇して行くことになりそうな気配を感じた。

 

 

(IRUNIVERSE TK)