ManzAGは、BMWiとバーデンヴュルテンベルク経済省から約7,000万ユーロ(約92億円)の資金提供の公式通知を受け取ることになりました。

 

業界の専門家向けで、世界有数のマルチメディアニュースプロバイダー、グローバルなビジネスニュースチャンネルである「Battery Industry」からのリリースです。

 

ManzAG(本社:ドイツ、ロイトリンゲン)は、リチウムイオン電池セル、電池モジュール、電池パック、スーパーキャパシタ、コンデンサ生産設備の大手ハイテク企業であり、包括的な技術ポートフォリオを持つ世界的に活動的なハイテクエンジニアリング会社です。

 

今回受けた賞は、電池のバリューチェーン(価値連鎖)における研究と革新を促進するための「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の一部となっています。合計11のドイツ企業がプロジェクトの助成金を受け取り、ManzAGが機械工学企業として中心的な役割を果たすようです。

 

「欧州バッテリーイノベーション」は、現在の最先端技術をはるかに超え、性能、安全性、環境保護の面で大幅な改善を可能にする新しい技術とプロセスの開発を目的とした野心的なプロジェクトになります。

 

このプロジェクトは、原材料の抽出から、バッテリーセルとモジュールの開発と製造、サーキュラーエコノミーでのリサイクルと廃棄に至るまで、バッテリーのバリューチェーン全体を対象としています。

 

(1)原材料と先端材料

(2)バッテリーセル

(3)バッテリーシステム

(4)リサイクルと持続可能性

という相互に関連する4つに焦点を当てています。

 

このように、このプロジェクトは、特にクリーンで低排出のモビリティに関して、ヨーロッパの将来にとって戦略的に重要な産業の強化に貢献しています。

 

ManzAGのCEOであるMartinDraschは、次のように述べています。

「EuBatIn助成金の正式な授与は、ヨーロッパ、ドイツ、およびManzAGにとって大きなチャンスです。

Manz AGは、多くの関連分野における包括的な専門知識のおかげで、ヨーロッパのバッテリー市場における重要なリンクとして機能しています。 Manzは、リチウムイオン電池製造のバリューチェーン全体において、すでに幅広い経験を持つ数少ないヨーロッパのエンジニアリング企業です。

 

「Lithium Battery Factory of the Future(未来のリチウム電池工場)」プロジェクトでは、次世代のリチウムイオン電池を完全に自動化して生産するための高効率な機械やプロセスを開発する予定です。そして、欧州の基幹産業であるリチウムイオン電池のさらなる発展に重要な役割を果たすことができると自負しています」と述べています。


(出所:TIME & SPACE-KDDIより)

 

リチウム電池については、私たちが使っているiPhone にも多く使われています。

 

リチウムイオン電池のメリットは、エネルギー密度が高いことです。 他のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池と比べると、同じ体積、重量で2倍、3倍のエネルギー密度が得られます。小型で軽く済むため携帯用機器の電源に最適なのです。

 

ただ、高性能ではありますが、現在では本体と電池が一体型のものが多いため、リサイクルされるのが難しいという問題も起きているそうです。

 

 

今回のプロジェクトでは、リチウム電池の完全自動生産のための機械およびプロセスを開発予定とのこと。

また、それだけではなく、リサイクルと持続可能性に関しても焦点を置いています。

リチウム電池の発展及び利用の促進がなされると共に、リサイクルの技術の向上及び導入に関しても、期待したいなと思っています。

 

(出所:日刊工業新聞社より)

 

リチウム【lithium】 といえば、アルカリ金属元素の1つで、単体は銀白色で軟らかく、花火やガラス工業用にも用いられています。

リチウムを使うと鮮やかな赤い炎になります。

 

鉱石中から発見され、名は石、宝石の意のギリシャ語lithosにちなんでいます。

 

その由来のとおり、美しく、そして、地球にも優しく、使われていく資源であれば良いなと思います。

そして、持続可能であることが担保されることは、とても大切なことです。

(出所:結晶美術館より)

 

 

今回のプロジェクトにおいて、目標を達成するために、革新的なプロセスとインダストリー4.0(「第四次産業革命」とも呼ばれる製造業のデジタル化を目指すドイツの国家プロジェクト)技術の活用によりプロセスコストを削減します。

そしてまた一方で、高い生産性とエネルギー効率に加え、材料やスペースの要件を最適化することで、電池生産の持続可能性が大幅に向上します。

また、低コストでバリエーションやマルチフォーマットの生産を可能にするために、未来のバッテリー生産はモジュール化された柔軟なものになります。

 

Manzは、IPCEIネットワークの欧州のパートナーと協力して、欧州の機械・設備サプライヤーの競争力を強化し、将来の電池産業のセグメントで重要な市場シェアを確保するために、有利なスタートポジションを活用していくようです。

 

連邦経済エネルギー省のThomas Bareiß政務次官は、次のように述べています。

 「バッテリーIPCEIにより、欧州におけるバッテリーのバリューチェーンが形作られていきます。これは、セルの生産だけでなく、バッテリーハウジングなどのコンポーネント(二次電池の保守に関する部品等)や、バッテリーの生産設備についても同様です。

IPCEIプロジェクト「Lithium Battery Factory of the Future(未来のリチウム電池工場)」において、Manzは、第3世代および第4世代のリチウムイオン電池を完全に自動化して生産するための、非常に効率的な機械およびプロセスの開発を目指しています。このようなプロジェクトは私たちの誇りです。会社は新しいビジネス分野への扉を開いています。」

 

 

また、バーデン・ヴュルテンベルク州経済大臣のNicole Hoffmeister-Kraut博士は次のように述べています。

「電池技術は、産業の価値創造のあらゆる分野で不可欠な、将来の重要なキーテクノロジーです。2030年までに世界の電池需要の約30%をドイツや欧州の生産拠点で賄うことを目標としています。バーデン・ヴュルテンベルクもこの分野で主導的地位を占め、バリューチェーン全体で重要な地位を占めるはずです。 ManzのIPCEIプロジェクトは、この目標に向けて大きな一歩を踏み出しました。」

 

電池等の技術も向上すると共に、持続可能な形で環境にも優しく使い続けられる技術の向上にも期待したいです。

そして、ヨーロッパだけでなく、地球全体に広がっていけば良いなと思っています。

 

(参考情報:https://batteryindustry.tech/manz-receives-official-notification-of-funding-of-around-e70m-from-bmwi-and-the-baden-wuerttemberg-ministry-of-economic-affairs/、

https://battery.german-pavilion.com/jp/exhibitors/83980/、

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/12/81275c93e8da4e1f.html

 

 

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星野月子(Tukiko Hoshino)

元公務員、現在はパラリーガル、モデル、アーティスト。それぞれ1人1人がどうありたいのか、ありのままのその人を大切にしたいと感じながら活動中。

 ウィンナーワルツ(社交ダンス)や絵を描くこと、茶道、YouTube など表現することが好き。

 今この瞬間に心に芽生えたもの、感じたことを大切にして、身体中に染み渡るその感覚に浸って、常に新しいことにも触れていたい。

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