21/3期中国向け活況で8.5%増収27.4%営利増、23/3期19%増収32営利増予想も増額へ,中国向け拡大で収益上伸 今期も増額修正見通し、ロボットは過去最高更新期待。

株価25175円(4/30) 時価総額50834億円 発行済株201922千株

PER22/3期DO(33.8X)PBR(3.93X)配当還元率60%   配当利回り1.8%

 

要 約

・21/3期は中国向け活況で8.5%増収27.4%営利増と1/27の再増額予想をさらに上振れ着地

・22/3期予想は下期減速予想前提に19.2%増収31.9%営利増予想と控え目で大幅増額含み

・23/3期もコロナ収束後の世界的な設備投資回復、新生産革命の中核企業として収益拡大

 

 

21/3期は中国向け活況で8.5%増収27.4%営利増と1/27の再増額予想をさらに上振れ着地

4/27に21/3期決算発表、同日電話会議が開催された。21/3期は売上高5513億円(8.5%増)、営業利益1125億円(27.4%増)、経常利益1287億円(25.2%増)、税引利益940億円(28.1%増)となった。1/27の2度目の増額修正予想に対しても、売上高で190億円、営業利益で67億円上振れて着地した。Q1はコロナ影響で一時的に18.8%減収、61.3%営利減と収益低迷も、Q2はコスト削減の中で中国を中心とする急速な需要回復で4.1%減収ながら4.0%営利増と増益に転じ、Q3では15.4%増収、68.2%営利増、Q4では29.0%増収、営利2.1倍と収益が積みあがった。

 

 

地域別売上を見ると、中国が1827億円(2.1倍)と際立つほか、その他アジアが762億円(2.4%増)と韓国や台湾が堅調、その他地域は総じて減収となり、正に中国活況が収益を支えた形に。中国向けでは特にロボマシンが3.6倍の673億円とIT関連向けにスマホ向けに加え、タブレット筐体加工向け等で需要が急増、ロボットも60%増、FA77%増と、自動車やITでの自動化、無人化需要の高まりで売上が爆発的に伸びた。一方国内は30%減の825億円と低迷、米州3.5%減、欧州13.9%減と日本ほどではないが減収にとどまった。

 

 

 

製品別では中国で大幅伸長したロボドリル(小型切削加工機)を中心にロボマシンが1145億円(52.9%増)と際立ち、ロボットも中国中心にPC、タブレット、スマホ向け需要急増等で拡大、その他地域が低調も全体で2100億円(3.7%増)となった。但し、中国を除くではFA16.0%減、ロボット8.4%減、ロボマシン15.7%減、サービス12.7%減と全部門でマイナス成長となっており、年度としては中国の一本足打法での回復イメージが強い。なお四半期推移ではQ1ボトムに急回復、Q4は四半期として19/3Q1以来の高い数字となっており、18/3Q4の最大値1906億円の92%水準まで回復、四半期としては各地域で回復している。

 

 

同社は受注と売上の乖離が小さい事が特徴であるが、今期は自動車、半導体など、急速な需要拡大で注文が膨らみ、Q1以降、受注が上回る状況が続いている。

 

 

 

 

22/3期予想は下期減速予想前提に19.2%増収31.9%営利増予想と控え目で大幅増額含み

22/3期会社予想は売上高6571億円(19.2%増)、営業利益1484億円(31.9%増)、経常利益1645億円(27.8%増)、税引利益1205億円(28.2%増)予想とした。部門別、市場別予想の開示はないが、中国向けの拡大、日米欧での自動車を中心とした設備投資増、加えて世界的な半導体、5G関連投資の拡大で収益上伸を見込む。但し、上下では、下期にロボドリルの反動減を見込み、一部、半導体不足などで自動車生産が混乱するなどの要素も見込み、上期が前年同期比51.1%増収、営利2.7倍に対し、下期は同3.7%減収(上期比11.3%減)、同24.3%営利減(上期比30.8%減)を見込む。

 

 

現状、中国での受注拡大は上期までは続く見通しの他、5Gスマホの端末が21年は5.6億台(2.3倍)に拡大が期待され、ロボマシンは21/3期も端末の筐体加工向け等でロボドリル(ストローク500mm未満の立て型MC)の拡大が2020年の特異的な伸びと同様、2021年も継続するとみられ、加えて世界的な工作機械需要の回復で、業界受注予想(32%増)を上回る受注・販売が見込める。またロボショットも5G端末関連でコネクタやスマホレンズ向け、さらにPCやタブレットなどIT関連、医療市場向けの需要拡大が見込まれる。ロボカット(放電加工機)も小型精密部品金型加工向け等に今期は増収が見込める。全体として、ロボドリルの拡大を中心に、その他の拡大で全体では30%近い伸びが見込まれる。

 

またロボットは世界的な省人化、自動化投資でさらに拡大が見込め、前Q4は662億円と四半期で過去最高受注となっており、この水準が維持されると判断、18/3期売上高2270億円を上回り、2700億円程度まで拡大が見込める。FAも中国でのNC化率の拡大、世界的な工作機械受注急回復から前Q4受注が667億円、売上との差額が225億円も乖離しており、売上で前期比30%増1950億円程度が見込まれる。サービスについては稼働率アップといわゆるソリューションビジネス展開の中でコロナ影響前の水準918億円を超え、こちらも過去最高の売上高が見込まれる。さらに従来にも増して半導体設備投資が活発化、半導体前工程の製造装置は30%近い伸びが見込まれており、同社も半導体、半導体設備投資関連向け受注の拡大が見込まれ、全体としてロボドリルの下期反落はあり得得るものの、FA、ロボット、サービスの伸びが継続、全体では下期落ち込みがない形での収益上振れが見込まれる。

 

23/3期もコロナ収束後の世界的な設備投資回復、新生産革命の中核企業として収益拡大

23/3期はコロナウイルスの克服を前提に、世界なEV、自動化運転等の技術革新の進展で自動車向け自動化や高度化設備投資の拡大が見込まれ、5G関連も5G端末は10億台に近づく生産が見込まれ、スマホ関連投資も活発な投資が継続しよう。加えてデータセンタなどの設備増強で半導体製造装置メーカー向け等がさらに比率が拡大すると見られ、全体として収益拡大が続こう。

 

 

 

(IRUNIVERSE MIRAI)