非鉄金属、石油・化成品、食品、木材、機械など国内販売及び輸出入を行う阪和興業株式会社が、ビジネスカジュアルを通年で実施すると発表した(4月30日)。
冷暖房の過剰使用を抑えることによる環境への負荷低減と、働き方改革の一環として、社員の自由な発想を引き出し業務の効率化を目指すとしている。
さて、2005年から環境省主導で始まったクールビスキャンペーンだが、小泉進次郎環境省大臣は「ネクタイを締めるかどうかの判断は個人が決めていくこと」とし、政府からの呼びかけは2021年3月で終了となった。
しかし今回の阪和興業に限らず、引き続き「ノーネクタイ・ノージャケット」を実施する企業は多く、金融系やメーカー・商社といったいわゆる「お堅い企業」でも仕事着の軽装化が進んでいる。
ちなみに、読者の皆様は
・スーツスタイル
・ビジネスカジュアル
・オフィスカジュアル
この3つの違いをきちんと理解されているだろうか?
「スーツスタイル」
長年、ビジネススタイルの主流であったスーツは、上下揃いの生地・デザイン性で仕立てられたジャケットとパンツ(またはスカート)のこと。カッチリした雰囲気は気品とスマートさにあふれ、相手に信頼感や安心感を与えることができる。
「ビジネスカジュアル」
企業の訪問や来客、会議などにも適したカジュアルな服装のこと。
男性であれば要するにジャケパンスタイル(テーラードジャケット+セットアップでないスラックス)。
ジャケットとボトムスを異素材で組み合わせたり色を変えたりすることで、個性とコーディネートを楽しみつつもキチンと感が演出できる。インナーは襟付きのシャツに足元は革靴がベター。
”社外の人に会っても失礼のない服装”を目安に考えると良いだろう。
「オフィスカジュアル」
デスクワーク時、最低限の礼儀を保った職場での服装と言える。
ポロシャツにチノパン、足元はスニーカー等が主流だろうか。企業・職種・部署によってはジーンズやパーカーなどもOKだろう。女性は短いスカートやショートパンツ、肩出しトップスは避けるなど、過度な肌の露出には注意したい
クールビズ開始時は、暑い夏を涼しく過ごそう・過度な冷暖房設定を見直そうといった、環境負荷軽減の視点が強かったように思う。しかし現在、引き続き職場ファッションのカジュアル化を発表した企業の多くは、省エネ以上に、スタッフの多様性・自主性の尊重や社内のコミュニケーション活性化のためと謳っている。服装規定を自由化することは、SDGsや働き方改革に対する企業の意識を外部へ表明する1つの手法になっているのだろう。
既にオフィスカジュアルが導入されている企業の皆様、楽だから…と毎日同じような格好になっていないだろうか?
企業がブランディングのために服装カジュアル化を進めるのであれば、どうせならそこで働く私たちも、セルフプロデュースや自己ブランディングという視点で「仕事着」を見直してみるのも良いかもしれない。
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emi kuroki
エンタメ業界で20代を過ごした後、30代は踊って暮らし、四十路に突入した今はピラティス講師をめざして目下勉強中。
執筆の得意分野は福祉、地域コミュニティ、まちづくりなど、結構真面目な3児の母。