美術家、長坂真護氏(MAGO)の展示会が4月24日(土)まで、伊勢丹新宿 本館6階催物場で開催されました。

 

 MAGO氏のアートに触れる機会をいただき、足を運んできました。

 

 外へ出ることが難しかったり、留まることが求められつつも、必要なことと自分の心が感じたからです。

 

 でも、実際には迷って行くことを留まる選択をされた方も多いかと思います。

 

 そのような中で、私(筆者)がリアルに感じたことを、オンライン上でも、少しでも皆様の心に届くものがあればと思い、お伝えさせていただきます。

 

 

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 今回のMAGOの展示会のテーマは、

   ―天命回帰/Still A “BLACK” STAR―

 

 ガーナにあるスラム街、電子ゴミ(e-waste)の山。世界中で起こる貧困と環境問題、そして争い。「衝撃」「恐怖」「葛藤」から生まれた、MAGOの魂の作品を展示しています。

 

→(関連記事)愛を世界にE-WASTEでアートを〜伊勢丹新宿MAGO展 サステイナブル・キャピタリズムの展開〜

 

 世界には、日本を含む先進国が捨てた電子廃棄物の墓場が存在しています。ガーナのスラム街アグボグブロジーでMAGOがみた見渡す限りの電子廃棄物のごみの山。

 

https://youtu.be/wuhaJB5_JiQ

 

 

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 その中、1日500円程度の日当で先進国が投棄した電子機器を燃やして生活する人々を見て、美術で先進国に対してアグボグブロシーの惨状を伝えることを決意しました。

 

 そんな現地の電子廃棄物を使ったアート作品たち。

  「アートでこの現実を変えたい」

  「世界有数の電子機器墓場を世界最高のエコタウンに」

 その想いに触れてきました。

 

 実際に訪れてみると、大きな黒い星のゲートが迎えてくれました。

 

 

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彼が輝かせたいと想う
ガーナの黒い星

 

 

 そこをくぐるとさまざまな彼の作品たちが待っていました。

 

 もともとイメージしていたものとは違い、ちいさな作品から壁一面を覆うような大きな作品まで、さまざま。

 

 大きな作品は、e-waste を多く用い、力強く、見る者にガーナの現状や彼の未来への強い想いを感じさせられました。

 

 

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 特に、こちらの作品「質量保存の法則」は、私が気になった作品の1つです。


 

「地球上のものは全て完結されている。」

 スラムで燃えるe-waste。

 それも全て私たちの地球、世界で今起きていること。
 同じ星の上での出来事。それを心に留めておいて。

という想いを感じました。


 

 そして、ちいさな作品たちは、子どもや動物の絵が多く描かれていて、彼のやさしさを感じました。

 


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 今のガーナの現状では、大気汚染等が深刻なため、動物はほとんどいないそうです。

 

 そのような中、そこで生活している動物、そして、人々は、汚染物質を含んだものを口にしてしまっている現状があるということでした。

 

 もしかしたら、動物たちがたくさん暮らして、安心してこどもたちが笑っていることをイメージしながら、描かれた作品たちなのかも、と想いを馳せました。

 

 そして、2015年に起きたパリ同時多発テロをうけて、生まれた「月」の作品たちにも魅了されました。

 

 

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 月に込められた想い。。

 

 悲しみを、美しさ、やさしさで包み込む。

 

 困難な時期だからこそ、大切にしたいなと感じました。

 

 MAGOの言うサスティナブル・キャピタリズムは、言葉としては耳新しいものでした。

 

 でも、これからの社会ではとても重要な概念になると私自身は捉えました。

 

 この考え方で、2018年には現地にスラム街初となる無料の学校「MAGO ART AND STUDY」を建設しています。また、2019年には、アグボグブロシーでスラム街初となる文化施設となる電子廃棄物美術館「MAGO E-Waste Museum」を開館しました。ここでは、アートを展示するだけでなく、そこから観光収入へと還元を行い、アーティストを育てるということもされています。

 

 サスティナブル・キャピタリズムの最終章として、MAGOは2030年までに100億円以上を集め、現地に最先端のリサイクル工場を建設することを目指しています。

 

 今回目指しているリサイクル工場の建設については、直接的に自社で行う予定とのこと。

 

 「資金は全てアートで賄われています。」

 

 自分たちで直営することで、無駄を省き、現地の方と協力しながら行っていく事が、効率的で現地の方にも有益な結果に繋がるから、と理由をお話されていました。

 

 アートで繋がるさまざまな想い。

 

 E-wasteやE-scrap に対する問題解決を考えると、なかなか難しいのが現状です。

 

 けれど、その必要性を人々のこころに訴え、動かしててく力がMAGOの作品たちにはあるのだと感じました。

 

 そして、現在はドキュメンタリー映画である“Still A Black Star”もハリウッドで制作されています。

 

 これらが先駆けとなり、まだ光を浴びていない部分へと派生していけばよいなと思います。

 

 資本主義の世界で群衆心理に訴えかけていく強い想い。

 

 「ドネーションに頼るということよりは、現地の人々が自立して、安心して生きていけること。そして、貧困を1つ1つなくしていきたい。」

 

 言葉では簡単に言えますが、実際に行動していくことは、とても重要で、重みがあり、お話しを伺ってMAGO氏の想いを強く感じました。

 

 

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 展示会では、MAGOの作品を題材としたT-シャツなどの販売もおこなわれていました。

 

 作品の売上金は経費等引いた残りを現地へ還元、ガーナでのリサイクル工場のための資金へ繋がります。

 

 これからのおうち時間で、オンラインショップもぜひご覧いただくのも良いかなと思いました。

 

 私が受け取った想い。

 

 少しでもみなさんに届くものがあったら良いなと思っています。


 今後のMAGO氏に期待するとともに、私たち1人1人の力を合わせて、次世代にとっても、地球をよりよい空間、星にしていけたらいいなと感じています。



(参考情報:https://www.magogallery.online/

 

 

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星野月子(Tukiko Hoshino)
 元公務員、現在はパラリーガル、モデル、アーティスト。
 それぞれ1人1人がどうありたいのか、ありのままのその人を大切にしたいと感じながら活動中。
 ウィンナーワルツ(社交ダンス)や絵を描くこと、茶道、YouTube など表現することが好き。
 今この瞬間に心に芽生えたもの、感じたことを大切にして、身体中に染み渡るその感覚に浸って、常に新しいことにも触れていたい。

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