三井物産と米国の化学品大手のセラニーズ(本社:テキサス州ダラス市)が折半で出資、設立したフェアウェイメタノールは3月26日、周辺プラントから排出される二酸化炭素(CO2)を原料として購入(最大で年間約18万トン)、有効利用してメタノールを増産(年間約13万トン)するために設備の増強を決定したと発表した。(写真は三井物産の公式HPから転載)。

 

 今回の設備の増強は既存の工場能力を最大限に有効活用したもので、増設分の原料には周辺工場から排出されているCO2を使用する。CO2を分離・有効利用するCCU(Carbon Capture and Utilization)の取り組みの一つで、CO2を資源と捉えて素材や燃料に再利用することで、大気中への排出を抑制するカーボンリサイクルを実現するとしている。

 

 三井物産は中期経営計画で目標に掲げた2050年のNet-Zero Emissionsの達成を目指すなか、メタノールのトレーディング事業にも従事し、製造面でも今回増設を行う北米での事業に加え、サウジアラビアでも製造事業へ参画している。

 

 メタノールは住宅建材、自動車・エレクトロニクス用の高機能樹脂、医薬品用途などの基礎原料として安定的な需要の伸長が見込まれている。また、CO2を原料とした基幹化学物質としても注目が高まっている。

 

(IRuniverse)