2021NEW環境展(東京ビッグサイト)にて出展していたパナ・ケミカルは、得意分野である、発泡スチロールリサイクルの際に、廃発泡スチロールをインゴットにする技術をPRしていた。

 

 同社は、国内の発泡スチロールリサイクルのシェア80%を誇り、月間で7000トンの回収実績を誇るリサイクル大手だ。

 

 

減少する発泡スチロール出荷 その原因とは

 同社ブース担当者は、同社が発泡スチロールリサイクルは得意分野としながらも現在、廃発泡スチロールの発生が減少している現状を語った。

 

 

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 減少の一因として挙げたのは、以前と比べ、日本人が魚を食べなくなったことがある、と話す。そのため、魚の輸送に必要な、発泡スチロール容器の生産が減少していることを話した。

 

 JEPSA(発泡スチロール協会)が発表する、2019年の発泡スチロールの出荷データによると、12万8,150となっている。

 

 過去にさかのぼると、15年では14万トン、16年は13万5,270トン、17年は13万2,970トン、18年は13万183トンと徐々に減少し、19年では13万トンを切っている。

 

 用途別の内訳では、19年調べで、魚などの容器では6万7,979トン(53%)、緩衝材等で3万8,052トン(29.7%)、建材用で2万2,119トン(17.3%)となっており、ほぼ半数が容器類となっていることが分かる。

 

 ちなみに、同協会のデータによる、廃発泡スチロールの再利用率では、19年の回収量は11万7,879トンをベースとして、内訳はマテリアルリサイクルで、6万535トン。サーマルリサイクルで4万4,895トン、埋め立てが6,475トン、単純焼却で5,974トンとなっている。

 

 ブース担当者は、発泡スチロール用途の半数を占める容器向けが減少している中、現在では建材で使用される断熱材向けの出荷が増えていることを語ってくれた。

 

 同社では、減少傾向にありながら、その高い技術を生かし、廃発泡スチロールをインゴットにする装置をアピールする。また、発泡スチロールのみならず、PET由来のペレット化する技術も紹介している。

 

 同社がインゴット化したリサイクル材については、断熱材、額縁、そして最近ではあまり見なくなったが、VHSの一部に姿を変えるという。

 

 

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 JEPSAのデータにあるように、未だ「埋め立て」される廃発泡スチロールが存在する現状、全ての廃発泡スチロールがリサイクルされるよう、パナ・ケミカルなどの技術を持った企業が先陣を切ってこれに取り組まれることを期待したい。

 

 

(IRUNIVERSE Hatayama)