住友金属鉱山は3月10日、菱刈鉱山に温泉熱を利用した自家消費用バイナリー発電設備を導入し、ことし2月から稼働を開始したと発表した。菱刈鉱山の坑内に湧出する温泉熱を活用する発電設備で、発電した電力は菱刈鉱山内で自家消費する。温泉熱を利用して発電することで、温室効果ガス(GHG)排出量を削減することが可能となる。

 

 菱刈鉱山では坑内で湧出する温泉水について毎分9,000リットルの量をポンプで汲み上げている。そのうち、およそ3分の2は冷却、水処理した上で河川に放流し、残る3分の1は第三セクターを通じて地元の温泉旅館など受湯家に供給している。

 

 現在、菱刈鉱山で進めている下部鉱体開発にともなう湧水場所の変更で温泉水の温度が上昇することから、従来の温度で受湯家に温泉を供給するためには、温泉水の温度を冷却する必要があった。冷却方法を検討した結果、回収した温泉の熱を有効利用できるバイナリー発電設備を導入することにしたという。発電量は約57万kwh(キロワット時/年)で、菱刈鉱山における使用量の約2%に相当する。

 

(IRuniverse)