図 近年、レクサスなど人気の高級車をリレーアタックで盗もうとする手口が横行している。リレーアタックとは、自動車にカーキーを近づけると、自動でロック解除となる仕組みを利用し、タブレットのような特殊な装置で自動車に近づき、カーキーから出る電子ロックの情報を盗み、電波増幅によりカーキーと誤認させることで自動車のロックを解除する方法である。

 

 この動画は、盗もうとする車泥棒の犯行の様子が、赤裸々に映っている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=98Ogg5SVems

 

 “レクサス盗難を「空き缶」で防いだ男性 リレーアタック未遂に「二度と近づくな」(3/1め〜テレ)”

 

 犯行に至らなかったのは、所有者が対策をしていたからである。車好きの中では有名な話ともいえるかもしれないが、鉄やアルミ、ブリキの間に入れると電波を遮断することができるということで、カーキーを缶に入れて保管していた。しかし、本当に金属製の缶による対策は有効であるのか?について、果たして全てのドライバーの皆が知っているのか。そして、実際にその対策を実行に移しているかについては、日本のみならず世界であっても怪しいと言わざるを得ない。周囲での口コミなどが大きな影響力を及ぼすこともあろう。

 

 日本のみならず海外でも、シャッター付きの駐車場がない場合も多く、対策をしていないことも多い。しかし、このケースでリレーアタックを防ぐことができたのは、対処法としてカーキーを金属缶(鉄)の中で保管していたことが大きい。車泥棒は、“いかにも泥棒”という服装をしていないこともよくわかる。サラリーマン風の風貌であったり、目立たない普通の服装で、しかも短時間で犯行に及ぶのである。

 

 世界中で、特に人気車種はターゲットになりやすく、筆者も欧州在住時、イタリア人友人家族のトヨタ車が朝忽然と消えていたのを、実際に目の前で見てきた。タイヤだけ全て外される例もあったが、キーを解除し車ごと持っていく手口はスタンダードである。マイカー所有が主となる日本と異なり欧州では、盗難保険が付いたカーレンタルの仕組みは今でも非常に人気がある。路上駐車がスタンダードな中で、人の目をはばからずスピード重視で命がけで盗難をする集団がどこにでもいる。その防犯対策は、どこにいても、しておくに越したことがないであろう。

 

 真夜中を含む在宅時、そして外出時のリレーアタックを防止するアイテムとしては、何も特別なお洒落な“リレーアタック対策 電波遮断ポーチ”などの特別、お洒落なケースである必要はないという。動画の例は、鉄の某有名老舗メーカーのお菓子のケースであったが、近所の100円ショップでも購入することのできるアルミ缶なども、非常に役立つという。

 

 

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 しっかりと隙間なく密閉することがポイントというが、鉄の缶、アルミ缶、ブリキ缶、全てに有効性があったという。お金をかけずにできるこの対策は、リレーアタックには効果があるのである。もちろん、コードグラバーなど、I Dコードのコピーなどの対策にはより多くの対策が必要になるであろう。しかし、ここで捨ててしまいそうな缶を家様、外出用などで持ち歩くなどの対策はすぐにできそうである。

 

 しかし、また、このコロナ渦で、お一人様キャンプや、これからサーフィンなどに出かける人も多いであろうが、お金をかけずに対策できる方法が、アルミホイルも有効だという。車から離れる、ドライブの疲れもあり防犯対策に時間がかけられないなどの事情でも、日用品としてお役立ちなのは、アルミホイル。しっかりと包み込むことで、缶に入れたのと同じ効果を発揮するという。また、飲み物や食品を持ち歩くのに便利なアルミ製の保冷パックでも、同様の効果が得られるという。

 

 2021年1月の国内アルミニウム圧延品の生産・出荷動向で、『はく』は生産も出荷も3カ月連続してプラスとなったが、“金属製品”の家庭箔は、去年年末の12月に続き増加して、前年比+44.6%の107トンとなった。家庭での調理需要の高まりにより出荷が増加傾向にある。

 

 アルミ缶、アルミホイルなどの今後の需要もさることながら。

 

 今、捨てようとしているその鉄缶、アルミ缶。少し取っておいても良いかもしれません。

 

 

A L U C O

 流通業界に身を置くこと20年、中東、ヨーロッパの大学院に留学した経験から、エネルギー産業への関心が高い。趣味はスキューバダイビング、自然観察、ワイン(ソムリエ)。