水素ガスが次世代のエネルギー源として注目されております。筆者はこれまで長い人生で残念ですが、水素ガスを具体的に認識した経験が、水の電気分解です。しかし私の経験でどれが酸素でどれが水素かなど具体的な印象と言うか、肌で感じた事が有りません。
そこで水素を図書館で見つけました。「トコトン優しい、水素の本」第2版、水素エネルギー協会編です。世の中には色々な協会がありますね。水素はこれまでの工業では化石燃料から製造されてきた様です。化石燃料を使っては水素だけでなく炭素も使われますので、二酸化炭素の発生を抑制できませんね。
1.これから我々は、何から水素を作れば良いのでしょうか?水素を取り巻く歴史
1800年頃 ヨハン・ヴィルヘルム・リッターが水素と酸素を作る試み
1890年 フランス軍が飛行船で使用する水電解ユニットで水素製造
(19世紀後半 チリ硝石(NaNO3)が火薬、肥料、硝酸の原料として重要になる)
1898年 イギリスの科学者クルックスがチリ硝石の枯渇の前に肥料生産の課題を提唱
(水素から硫安、硝安など肥料を生産する挑戦が始まる)
1911年 BASFがハーバー・ボッシュ法でアンモニア合成の大規模生産に安価な水素が必要となり、石炭ガス化法で水素が生産された。
更にアンモニアで硫酸アンモニウム(硫安:肥料)を生産した。
1914年 第一次世界大戦で火薬製造にアンモニアから硝酸を生産(オズワルド法)
水素生産の流れ;最初は水→水素+酸素、次に石炭→水素、現在は石油→水素
2.改めて化石燃料に依存しない水素の生産は可能でしょうか?
水素→アンモニア
グリーン水素の生産法はあるのか?
・木材廃棄物から高温ガス化するバイオマスガス(水素・メタン・CO・CO2)発電
・セルロースのグルコース化・グルコースの水素発酵(水素・酢酸)
・食品廃棄物からメタンガスの回収と発電
グリーン電力の生産法はあるのか?
・太陽光発電
・風力発電
・洋上発電
・グリーン電力でアルカリ水溶液から水素製造
比較的理解しやすいのは天然のエネルギーで水素を作るコースです。風力や太陽光や海洋の波の力で発電したり、紫外線のエネルギーで水を電気分解する触媒で水素を製造したり、多様な方法が提案されております。私は、もっと素朴な水素製造をイメージしました。
それはバイオマス発酵とバイオマス熱分解に注目します。原料は人間の生活の活動と日本の山の森林資源を維持する為に植林とその後の森の維持から発生する原料で生産できる方法です。判り易く言うと生活廃棄物と森林廃棄物で生産できる手法です。
もうひとつ驚いた事が有ります。これまで火力発電で石油や石炭を燃やしていた発電所でアンモニアを燃やすと言うのです。アンモニアは液化し易いとの理由です。アンモニアの原料を何から作るのでしょうか?
CH3はメタンです。NH3がアンモニアです。これまではメタンが優先してきましたが、これからはアンモニアが優先するかも知れません。その差はCカーボンがあるか無いかの差でしょうか?
(IRUNIVERSE Katagiri)