岩谷産業はこのほど、国内初となる褐炭からの二酸化炭素(CO2)フリー水素サプライチェーン事業化に向けた検討を開始することを明らかにした。(写真はイメージ)

 

 この事業は北海道で褐炭由来となる国内初のブルー水素を製造する計画だ。褐炭(Lignite)から製造した水素を-253℃以下まで冷却して液化し、需要地まで輸送する。また、水素を製造する過程で排出されるCO2を回収し、地下に貯留(CCS)することも検討する。

 

 日本での水素市場におけるシェアが70%を占める岩谷産業は、HySTRA(技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)や、豪州の企業体との協業を通じて海外からの大規模水素サプライチェーン構築に取り組んでいる。

 

 岩谷産業は1941年に水素の取り扱いを開始して以来、製造から輸送・貯蔵・供給・保安まで一貫した全国ネットワークを構築。2006年に大阪府堺市に国内で初めての液化水素製造プラントを建設し、現在では年間1億2,000万立法メートル(3拠点・6プラント)の液化水素製造能力を有する日本で唯一の液化水素サプライヤーとなっている。

 

(IRuniverse)