今年は銅相場は最高値を更新する、とMIRUでは予想していたが、これほど早くにそのときが訪れてこようとはこれは予想外。25日のプレマーケットでも上がり続けてすでに9600ドルに近づいている(22日11時現在)。

 

 24日に国内銅建値はキロ1020円(トン当たり102万円)に上がったばかりだが、明日にでもさらに引き上げられそうな勢いである。

 

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LME銅相場の推移(USD/ton)3か月

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国内銅建値の推移(JPY/kg)3か月

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LMEニッケル相場の推移(USD/ton)3か月

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LMEスズ相場の推移(USD/ton)3か月

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 これはカッパーのみならずLME全体が過剰流動性資金(要するに金余り)に動かされニッケルは2万ドル、錫は3万ドル一般化をはかるほどの熱気を帯びている。ここまでの急激な上げに現場は対応できているのだろうか?

 

 関東地区の大手非鉄金属スクラップディーラーによると

 「とりあえずはピカ線は900円(キロ当たり、以下同)まで、込銅で800円までは上げているが様子見。今の高値があと1週間でも

 続けばまた引き上げを考えなければいけないが、もしかしたら明日にでも建値は過去最高の1050円を抜くかもしれず。。」

 

―とすると、スクラップの伝統的な傾向としてものは出てこないのでは?

 「建値800円台のときにすでに出ていたので、いまはもう在庫がなくなっているのではないかな。年明けても相場は高値更新していったが昨年11月、12月ほどの入荷の勢いはない」

 

―11月、12月はどのくらい入ってきていました?

 「全部あわせて(アルミなども含めて)月間3000トンは超えていた。銅系だけでいえば1500~1800トン」

 

―なるほどです。ここまで上がってくると仕入れもそうですが、売りも難しくなりそうです

 「そうですね、しかしSPOTでも欲しい、というメーカーもあり、SPOTはいらない、というところとマチマチ。非鉄製錬メーカー向けでは、うちが出している先は炉修もあり、相場上がる前から荷受け制限を行っている。輸出はまだ先方(中国)が追い付いてきてない。ピカ線で910円(コンテナ詰め価格)まで。中国の買い手も様子見でしょう」

 

―まさに2007年~2008年の資源バブルと同じ展開になってます

 「だからこそ、みんなそのあとの暴落を経験しているだけに、不安のほうが強いのではないかな。手放しで喜べる状況ではない、というのが正直なところ。。」

 

 

国内銅建値の推移(JPY/kg)15年

グラフ

 

 

(IRUNIVERSE)