ベルギーのユミコア社は過去に前例のないCOVID-19パンデミックのなかで、例外的なPGM価格上昇により最高経営実績を挙げたと2月11日に発表した。
→ https://www.umicore.com/en/investors/financial-results/full-year-results-2020/
→ https://youtu.be/bEJatnRMltg
2020年前半は、自動車産業の下降傾向で触媒・エネルギー・表面技術事業分野で受けた影響があったがリサイクル分野の強力な後押しで、また2020年後半は触媒分野の力強い成長と共に、グループ経営の継続的な改善及びリサイクル分野における金属価格の回復により売上と収益での改善に支えられた。
2020年の通期EBITは前年比で5%改善し5.36億€となり、調整後のEBITDAは7%改善し8.04億€となったと発表した。
―世界的な自動車市場の低下も働き、触媒分野の販売は減少した。Light-duty車分野では特に中国と欧州でのユミコアのポジション、heavy-dutyディーゼル車及びfuel cells用触媒分野のユミコアポジションなど強力なユミコアの販売ポジションが有ったが、2020年前半のパンデミックの深刻な影響が2020年の通期でも調整後のEBITにも減少へ転じた。
―エネルギー・表面技術分野は、携帯電話やエネルギー蓄積(バッテリー)へ使用されるカソード材料分野の販売低下とパンデミックによる影響で売り上げは低下した。販売低下は生産の低迷と更に中国の実質的な生産過剰によりカソード材料の価格環境による価格低迷によるものであった。
―リサイクル分野は、事業分野を横断する強力なリサイクル事業ビジネスの成長、高いレベルの金属価格の影響、更にCOVID-19にも拘わらず活発な事業活動、更に有利なトレーディング条件などの複数の有利な状況から、調整後のEBITは2倍となった。
Key Figure
― 販売額 -4% 32億€
― 調整後EBITDA +7% 8.04億€
― 調整後EBIT +5% 5.36億€
キャッシュフロー 事業(オペレーション) 6.03億€ (2019年は5.49億€)
事業に必要原材料でPGM価格上昇による投資増(working capital)1.04億€があったが、キャッシュフローは前年比で0.54億€の改善がなされた。
(IRUNIVERSE t.katagiri)