豪州鉱山企業Sundance Resources社は先日、コンゴ共和国から同地での鉄鉱石採掘許可を剥奪され、巨大なMbalam-Nabeba鉄鉱床の開発契約を解除されたことが明らかになった。コンゴの大統領と4人の閣僚が共同で署名した11月30日の政令で、政府はコンゴ共和国とカメルーンにまたがるこの鉄鉱床の開発が不十分であることや権利の不払いなど、いくつかの理由を挙げて契約を撤回したとのことだ。

 

 もっとも、現在コンゴからの攻撃を経験しているのはSundance社だけではない。豪州に拠点を置く他2企業——ASX上場のEquatorial Resources社と、私営のCore Mining Congo社——も最近、鉄鉱石の採掘と探査の権利をコンゴから剥奪されたとのこと。そして、代わりに権利を授与されたのは、地域での歴史のない謎の無名企業であり、現在、中国との関係が取り沙汰されている。要するに、このコンゴ内での豪州鉄鉱石企業締め出しとも言えるような動きの背景には、中国の存在があると考えられているようだ。ブルームバーグ紙、豪ファイナンシャル・レヴュー紙などが報じている。

 

 今回新たにコンゴでの採掘、探査権利を授与されたのは、Pointe-Noire市に拠点を置くSangha Mining Development Sasu社。Sundance 社のNabeba 、Equatorial 社のBadondo、Core 社のAvimaの許可証がいっぺんに、そして突然与えられた形だと報道されている。

 

 Equatorial社は、この突然の出来事に衝撃を受けたとし、「鉱業法、許可証所有者とコンゴ政府の間に存在する関連鉱業条約、そして国際法に基づくコンゴ政府の義務に対する明確な違反」であると考えていると発表。一方、Sundance社とEquatorial社は、同グループによるコンゴでの過去の採掘活動も含め、Sangha社については何も知らないと述べた。3社は、それぞれに損害賠償の請求や仲裁プロセスの検討を行いながら、Sangha社と、現在コンゴ国内で勢力を拡大している中国との関係を調査していくものと理解されている。

 

 Sundance 社のCEO、Giulio Casello氏は、「コンゴ政府が多額の損害賠償金を支払うことへの合意でも得られない限り、コンゴ政府の行動の結果としてのこの紛争を、交渉期間である残り54日間以内に解決する方法は見えていない」と発言(現在の契約では、政府との相違は60日以内に友好的に解決されることになっているそう)。同社とその子会社の法的権利を追求し、株主の利益を保護するため、必要なあらゆる措置を講じるとしている。

 

 

(A. Crnokrak)

 

 

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 豪州シドニー在住。翻訳・執筆のご依頼、シドニーにて簡単な通訳が必要な際などには、是非お声がけください→MIRUの「お問い合わせ」フォーム又はお電話でお問い合わせください。

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